6、臨床整復医学の思考展開論

整復診療において診療展開を進めるためにはある程度の筋道を立てる必要があります。臨床において基本診断法の解釈と判断、補助診断法の解釈と判断、損傷の認定、整復技術の選択と施行、その有効性等は患者さんの数だけ存在します。全ての患者さんに対応する共通の解釈、選択、判断の流れを基本的事項として捉える必要があります。経験により情報選択に対する考え方や情報の評価にはいくつかの中心項目が存在し、原因の特定に大きな役割を果たすことに気がつきました。患者さんから得られる情報を効率よく的確に分類し評価する流れ、整復技術の施行に向けた臨床の組み立ての流れ、整復技術施行の結果を評価する流れなどを理解しておく必要があります。

このような流れを分解し単純なマニュアル化の形で表現するものをフローチャート(flow chart)と呼んでいます。フローチャート(flow chart)はコンピュータープログラム作成行程の解析を行う目的に作られたものです。この考え方は整復医療における診療手順と問題点の修正、修正の可視化の流れに応用することができます。

本来フローチャート記号は重要度を含みませんが、思考展開する上にフローチャート記号に重要度(ある意味曖昧度)を含ませてみました。それは処理、判断、照合、認定に対する経験的確率(相対頻度として)を考慮し挿入しました。これによりフローチャート(flow chart)は人間を見る上の自由度を加味した形に変化させたのです。

診療者はそれを判定基準に照らし合わせ最終的判断をして傷病認定します。傷病認定された患者さんに対して診療(整復技術施行)が行われます。その結果に対して正否判定をすることで正しい臨床の流れを確認することが可能となります。

この考え方は単純記憶による理解だけでは無く、演繹的思考展開法での学習や理解にもつながり、今後の臨床のあり方や考え方、視点の拡大に期待するものです。

単純で容易な考え方の中にも、無限に広がる思考展開に有効な発想を内在するものも多く存在することを認識することが重要です。